精子提供プラットフォームへの想い Ton Bébé運営代表に迫りました
↑ 今回のライター: あきんぼう
ドナーとは: 精子提供を行う、ここでは男性を指します
ドニーとは: 精子提供を受ける、ここでは女性を指します
【Ton Bébéとは】
Ton Bébéは、子どもを望む全ての人のために作られた精子提供のためのマッチングプラットフォームです。
Ton Bébé「トンべべ」とは、フランス語で「あなたの赤ちゃん」という意味の単語です。女性のドニーさんと男性のドナーさんを結びつけ、1人でも多くの方の願いを叶えるという想いのもと運営されています。
これまでに少なくとも30組の方が精子提供をされている実績があり、今後もサービスをさらに拡充していく予定です。
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✔︎ そもそも、このサービスを始められたきっかけは何でしょうか?
私は普段はソフトウェアエンジニアとして働いており、もともとプログラミングが好きで、自分が作ったものを人に使ってもらうのが夢です。
どのようなサービスを作ったら世の中の人の役に立つのかを常に考えていて、これまでにも趣味としていくつかサービスを立ち上げてきました。
このTon Bébéを立ち上げたきっかけは、2年ほど前に精子提供の現状についての記事を読んだことでした。
当時と今とであまり状況は変わっていないと思うのですが、不妊治療には多くの時間と費用が必要な上、精子提供による妊娠を目指せる(非配偶者間人工授精 AID)医療機関も限られています。
一方で、健全な精子を提供できる男性はこの世に大勢おり、ボランティアを呼び掛ければ手を挙げる人はたくさんいると思いました。
「必要としている人がいて、助けられる人もいる。しかし本当に必要としている人は時間面・金銭面で多大なコストを払わないといけない」という現状は制度として明らかに成り立っていないと思い、こういったいびつな状況を少しでも改善すべく、精子提供のプラットフォームを作ろうと思いました。
妊娠のためにサポートが必要なドニーさんと、ボランタリーの精神を持つドナーさんを結びつけることには意義があるという信念のもと、サイトを運営しております。
社会課題を解決したいという想いの上で、サイトを運営されているんですね。
その通りです。ちょうど2年前は妻が妊娠していて私自身が子供ができることに喜びを感じており、子どもを持ちたいと願う人にはそのチャンスが平等に与えられるべきだと思うようになりました。
子どもがいると大変なことももちろん多いですが、この喜ばしい経験を全ての望む人が享受できる機会を提供したいのです。
✔︎ 運営をしている上でのやりがいや、嬉しかったことはありますか?
サイトの機能として、提供実績を登録する機能があり、それにより提供が行われたことを確認できるのですが、そのデータを見るとプラットフォームとしての役割を果たせているという意味で嬉しいですね。
さらに、私が当初想定していたよりも多くの熱意を持ったドナーの方々が登録してくださっているのもやりがいの1つです。
✔︎ 精子提供を実際に受ける上で覚えておいて欲しい点はありますか?
精子提供の流れに記載のこと以外ですと、絶対ではないのですが私個人としておすすめしたいことはいくつかあります。
まずは、メッセージをやりとりして実際に会うことになった場合、初回は会話をしてお互いのお人柄を知るのみにとどめることです。初回で精子提供を受けることももちろん可能ですが、お会いしてみて1度家に帰ることで考える時間が増えるでしょう。
また、ドニーさんお1人ではなくパートナーの方やご友人などと一緒に、ドナーさんにお会いすることも良いのではないかと思います。実際、ご夫婦でドナーさんと面談をされる方も多く、中にはドニーさんのご主人のみでの面談というケースもありました。
つまりは、会ってすぐの提供ということではなく、1度持ち帰る、誰かと一緒に考えるということです。
✔︎ では持ち帰った結果、精子提供を受けると決めたとき確認すべき点はどのようなところでしょうか?
確認することとして、
- 性病検査の証明書
- 血液型(献血カードなど)
の2つは必須ではないでしょうか。これらは初回の面談の時に提示してもらうことを強くお勧めします。
その他には、学歴の証明書、勤務先、納税証明書なども必要であればドナーの方にお願いすることも良いでしょう。
これらの書類の提示なしに精子提供に進むことはない、という強い意志をドナーの方に前もって知らせておくことが重要だと思います。
後から、「聞いていた話とは違う」と両者ともにならないように重要だと思う点はよく確認し、相談を重ねることが大事だと思います。
もちろん私どもも提出された性病検査と精液検査の書類の確認はしておりますが、やはりドニーさんご自身でもご確認いただき相手のドナーの方が信用にたる人なのか、条件に合致しているのか、をしっかりと検討することが必要なのです。
ご自身のみならず生まれてくる子供の人生にも関わる非常に重要な事柄です。ドニーさん、ドナーさん双方で気になる点は全てご自身の目で確認することをおすすめいたします。
✔︎ 精子提供をされるドナーさんに向けて、何かメッセージなどございますか?
精子提供はまだまだ新しい妊娠のための方法です。現在不妊に悩まれているご夫婦は5組に1組と言われており、そのうち4割は男性に原因があるとされています。つまり、妊活は女性だけの問題ではなく男女両方が力を合わせて取り組むべき社会の課題なのです。
そのような方々のために、ドナーとして協力が可能な方、この社会課題を解決したいと感じられる方、その中でもドニーに寄り添い「本当に助けになりたい」と心の底から考えられる方のみ、ぜひ登録をお待ちしております。
正直に申し上げますと現状、日本では法律がまだ整っていないため認知や養育費に関する懸念を持たれる方も多いようです。
何せ前例がないため、どのように解釈されるのかも不明瞭な部分が大きいです。これに関してはドニーの女性・ご夫婦と約束事を書面に残すなどされることをお勧めします。
第三者の精子提供によって出産した場合の各人の法的位置付けについての特例法案が今国会で提出されるようです。個人間での精子提供でどこまで適用されるかは不明ですし、ドナーの位置付けに明確な規定がない、といった批判もありますが、法整備が進むことは良いことだと思っています。
繰り返しになりますが、まだ法律は未整備な上、我々Ton Bébéがお役に立てる範囲は残念ながら限られてしまっているのです。
✔︎ サービスを使ったユーザーの方に柿本さんはどのようになっていただきたいですか?
1番は、ドニーの方がご自身の望まれる形での妊娠と出産に繋がって欲しいと思います。
Ton Bébéでは、ご自身の好みに合わせてドナーを検索することが可能です。例えば体型や学歴などから検索をかけることもできます。そういった点も含めて、希望通りの妊娠と出産を切に願っております。
✔︎ 今後、このサービスをどのように変えていきたいとお考えですか?
正直まだまだ拡大途中のサービスなので、変えたい点はたくさんあります(笑)!
最も重要だと考えているのは、プロフィール情報の信頼度を上げることです。
具体的にどこから着手するかはまだ検討中ですが、現状の「性病検査」「精液検査」の他に血液型なども含めた書類審査の必要性を感じております。
例えばTwitterの公式マークのように、実際に運営者が面談を行い書類など一通りの確認をできた人のプロフィールには「Ton Bébé認定マーク」のようなものをつけるなども考えています。
その他、ドナーの容姿を気にされるドニーの方は多いので、プロフィールに顔写真をアップロードできたり、メッセージ機能で画像を送る機能なども検討しています。
このサービスに限った話ではないですが、日本全体の精子提供をより安全で信頼性の高いものにするために基盤となる法律の整備を期待しています。
私はTon Bébéで、金銭面はもちろんのこと、時間や精神面でも低コストな精子提供を、ボランタリーの精神を持った方々とともに実現したいです。
今回は、Ton Bébé運営代表の柿本にサービスへの想いや利用上の注意点などをお聞きしました!
今後も定期的にTon Bébéや精子提供に関する記事を載せて参りますので、ご覧いただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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